かがみ
はな 

あなたのみみたぶのゆめをみて
そのあとにあたしは
みしらぬ土地にいた
花の咲かない土壌にまみれた
春の匂いのする かわら


あなたはかぜをひいたといって
うすくらいへやで
ゆるやかなたおるをかぶっていて
そのへやのまどに思いついたように打つ せかいじゅうの朝の
おわりのような、初夏の雨
ゆれる
かげろうににている 


せんろはあたしたちの眼前でとぎれており
ときおり
せみがはねをこすっているようだ
樹液のかおりと
葉のかげに そらのまぶしさに どあのぶのつめたさをおもう青

かぜのない日 
おべんとうを包む
という
ひとつのなにかの おわり


ねぇ

あのねぇ

つぶやきながらこころなし
つめたいたおるをゆすっている
匂いの涸れた
真っすぐな
あなたの目のなかにゆれている
おぼろのかわら



ますくをしてでかけよう
きょうのそらは 
洗面所の続き








自由詩 かがみ Copyright はな  2005-08-03 12:05:45
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