かがみ
はな
あなたのみみたぶのゆめをみて
そのあとにあたしは
みしらぬ土地にいた
花の咲かない土壌にまみれた
春の匂いのする かわら
あなたはかぜをひいたといって
うすくらいへやで
ゆるやかなたおるをかぶっていて
そのへやのまどに思いついたように打つ せかいじゅうの朝の
おわりのような、初夏の雨
ゆれる
かげろうににている
せんろはあたしたちの眼前でとぎれており
ときおり
せみがはねをこすっているようだ
樹液のかおりと
葉のかげに そらのまぶしさに どあのぶのつめたさをおもう青
かぜのない日
おべんとうを包む
という
ひとつのなにかの おわり
ねぇ
あのねぇ
と
つぶやきながらこころなし
つめたいたおるをゆすっている
匂いの涸れた
真っすぐな
あなたの目のなかにゆれている
おぼろのかわら
ますくをしてでかけよう
きょうのそらは
洗面所の続き