外輪光夜
木立 悟




夜の水の音
青と白の花
夢のつづきに至る光
髪を目を照らす


かつて夜の中で所在なく
ただたたずんでいたものさえ
わずかな陰影の揺らぎを貫き
独りではない笑みを返す


海に浮かぶ月のように
世界は世界にこだまする
羽の生えた円はめぐる
骨の花
骨の水車
草色の光
何かを 誰かを 抱きしめようと差しのべられる
あらゆる醜い腕を乗せて


灰色の夜を見上げながら
立ちならぶ街灯を
ひとつひとつ心の中で燃やしながら
凍った道に映る夜を
踏みしめてゆく






自由詩 外輪光夜 Copyright 木立 悟 2005-08-02 13:44:03
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