皆月町
HARD

ふと気付けば夜の闇
棒のような足を動かし
やっと山から出た

そこには町があった
町は不気味なほど静まりかえっている
町を歩き回ってる時にこんな声が聞こえてくる

「ようこそ 皆月町へ
この町の人は皆、月のよう。
太陽がなければ光れないのです。」


幻聴か はたまた…
気味の悪い町だと思い
出口を探す

思えば住人を見ていない
町の上の空には月はなく星だけであった
立ち尽くしていた僕の耳にこんな声が聞こえてくる

「ようこそ 皆月町へ
この町には太陽は昇りません。
今日は月の出ない日 誰もいてはいけない日。

あなたも今日からこの町の住人。
月が出る日まで 月が出る日まで
こちらへ」


自由詩 皆月町 Copyright HARD 2005-08-01 00:35:04
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