有季自由律1
佐々宝砂

騙されたくて朧月夜を散歩する





踏まれて香る芽紫蘇の死
 
液体化するわたし 麗らかで

春眠の教室窓から光こぼれる

米が汗をかいている

汗のようにおちる言葉

何かと問えば遅夏の蝉
 
風にも空にも色がない君がいない

夜なべしながら猫抱けばあったかい

綿虫ちえの輪きみたち立つべき





憂き世の泳法は散るさくら



俳句 有季自由律1 Copyright 佐々宝砂 2005-07-30 04:43:17
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