祖母
玉兎


年を重ねることではなく
生きることへの
笑顔にすむ
哀しげなしわ
触れれば
暖かな
てのひらから
伝わる
重み

ありがとうを繰り返す
私はもっと綺麗なこえで
さえずりたいのに
深くしずむこだまは
かわいた音をたててゆくだけ

さようなら
元気で、と
ありきたりな言葉に
ふるえるすべての想いをのせる
私の手に
かえせるあてのない
笑顔がじんわり
しみる

私の明日と
あなたの明日を
隔てるものが
生きることだけではないと
あなたと
わかれる
あかい夕暮



自由詩 祖母 Copyright 玉兎 2005-07-29 15:01:23
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