蝉の記憶
umineko

ふと

背中は正中から割れて
わたしはゆるゆると
中から這い出した

新しい皮膚は
まだ少しだけ熱い

背中には
哀しい羽が生えている
わたしは約束の空へ

短さを張り合うような
揺るぎない直線で

あなたを脱ぎ捨てて
 
 
 


自由詩 蝉の記憶 Copyright umineko 2005-07-28 05:10:35
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