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umineko

電車を待つ人々が
いっせいに
携帯を開く

今日の株価を確認する
プロ野球の結果を確認する
誰かとの 距離

同胞メール
という
機能が嫌い
いっせいに

私の孤独を送信する

− 白線の
− 内側までお下がりください

− お見送りの方は
− ホームの中ほどで

おそらく
それは私へと降る
最初で最後の
今日の ことば

寄りかかる
立ち止まる
電車は無限に繰り返す

ありがとう
さようなら
着信音はまだ来ない
 
 
 



自由詩 携帯ホーム Copyright umineko 2005-07-26 05:59:56
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