自由によって運ばれてくる
鳴々門 零

眠りの端を吸いつけるように
けりが清らくついばみを走らせた

マディソンという街の
澄んだ蒼にきらめくのは
寝起きを押しのけた海兵隊の
ブルースが舞う

うえの空のこころよい空気の一面でも
踊りに苦しむ
下界の嘆きはまじわれない
犬も猫も 
そこでは目をつむるしかない

選択した眠りは
ふりをする偶像になれること
あるじが命のためにも
施すとき うえの空の響きが
閃光となって
よどんでいるのを貫く

鳧がかこいとのあいだを
思い残すこともなく身を振るわせる
楽しさのまなざしは
自由によって運ばれてくる


自由詩 自由によって運ばれてくる Copyright 鳴々門 零 2005-07-25 09:04:06
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