METAL FINGER
プテラノドン

いかにも抽象は馬鹿げているようにみえるが
抽象の後ろを「馬鹿げた」がついて歩くだけのこと
そして「馬鹿げた」の後ろを盲人の「似非」が歩く 
ずっと そのまま 近づくと 灯台は 火葬場の煙突
煙は導くように―誰が、誰をは・・・  
風車のプロペラは 墓を掘るスコップ 
此処から、何処へ―送り出すのか・・・ 
見知らぬ外国?閉ざされた地?とチラシに宣伝されていたが、
現に造られた建物があるし、指紋がべたべたと 
手垢や手垢や恐ろし屋 幽霊の白さ―みえるだろう・・・・・・ 
はい、みえました。なら、その手で触れぬように
そこらで手を後ろで組んでさ 熱心に美術品を眺めるあの客の真似して
 そろりそろりと「似非」歩き・・・しなさいね
素通りしたり、立ち止まったり、時には九歩を刻む感じで
 えっちらおっちら「似非」歩き・・・しなさいね
とくれば―、あっちから、オウムを肩に乗せた片手の男がやってきて
「おい似非公!こいつと一緒に写真を撮らないか?」と義手の
鉄のフックで、青いオウムの頭を 思いっきり 引っぱたく、
その音こそが 生きた抽象そのもので―――


自由詩 METAL FINGER Copyright プテラノドン 2005-07-23 03:16:00
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