冬の虫ケラたち
みもる

ぎゅっ、ぎゅっ、と
降り積もったあつい大気を踏み分け進む

照り返す光で白く輝くアスファルト
まるで銀の雲の上

天を仰げば
目が眩む迷いのない太陽のまなざし

僕はあわてて目を背ける

日が暮れ太陽が月とバトンタッチし
セミとスズムシもそれに続く

今日も虫ケラたちは
馬鹿の一つ覚えで花火に群がる

くだらない

花火キンチョールが落下して
みんな殺されればいい

そんな僕も
結局は虫ケラの一人

君に誘われるまま
無意識のうちにふらふらと
河川敷に迷い込んでしまった

七色の甘い花に
本能のまま見とれつつ

今なら花火キンチョールに
殺されてもいいと思う

君と一緒だから


自由詩 冬の虫ケラたち Copyright みもる 2005-07-21 04:28:18
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