ばら


すこしだけ 息をすった。
らくになる前に こみあげてきた。
ごまかすために 窓の向こうがわをあおぐ。

ゆびと ゆびのすきまから
にじみだした 青。

はき出した息の白さにおどろいて
となりのだれかに 話しかけた。
かわいた風が つめたく肩をとおりすぎて
だれもいないはずの教室から
わらいごえが きこえた。

もう 帰ったんだとおもってた。

わたしのなまえがきこえた気がして
耳をふさいで 走ってにげた。
なにかが とても こわかった。

胸がくるしくて たくさん息をすった。
つめたい風が とにかくいたかった。
ごまかすこともできなくて 空をあおぐ。


ゆびと ゆびのすきまから

つたってこぼれた 青。







自由詩Copyright ばら 2005-07-20 23:35:29
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