雨季の信仰
A道化





ぬるい雨に圧され紫陽花の青い首が舗道へ垂れています
私は待っています
触れてくれるでしょう、荒れたアスファルトの
えぐれたままの古傷に溜まる暗い水に、柔らかく


あまりにもずきずきするアスファルトばかりなので私は
ずきずきという言葉を省き単にアスファルトとだけ呼ぶけれど
ちゃんと、柔らかく触れてくれるでしょう


芯の見えぬ花を
疑わしくとも疑わず、疑わず、疑わず、疑わず
私は待っています、嗚呼、あなたは触れてくれるでしょう
暗い水に、柔らかく



2005.7.20


自由詩 雨季の信仰 Copyright A道化 2005-07-20 17:42:24
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