嘘つきバラの寿命。
ばら



ぷっつりと、切れて
そこでなくなってしまうのかしら。

目の前から消えてしまって
跡形もなくて
想いだけが残ってしまったら

それは、とてもつらいんじゃないかしら。

あなたがいなくなって
わたしがひとりになって
水も光もなくて
枯れていく、そのときは

きっとあなたのことを想って、
泣いてしまうかもしれないわ。

だから、いなくなってはだめよ。

わたしも咲きつづけてあげるから。


このバラはとてもおしゃべり

今日も温室の中

楽しそうにしゃべっては 花びらを揺らす

甘い香りに 痛い棘

おしまいを考えるなんて きみらしくもない


明日もくるよ

あさっても その先もずっと

約束する


だから そんなに悲しく揺れないで

だから ずっと生きていて







自由詩 嘘つきバラの寿命。 Copyright ばら 2005-07-18 12:50:01
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