なすがすべき 海辺の 町
奥津強

老人の 頭を 抱いて
ヒッチハイクに 行こう

躁鬱の 女の かつらを
すすりながら
漢字検定を 受けよう

海辺の 見える
「なすがすべき」道へと

糖尿の 男の 服を着て
降りよう

見える所は 私が すべき
海辺の町

「すべきだから」道へと

生きがいは 腫れぼったい
私の 両目

ふと 周りが 明るくなり
病んだ 空想上の 海が
見える

これではない

私の 体を 持って
海辺の 町で
腹の 膨れ上がった

なすがする道


自由詩 なすがすべき 海辺の 町 Copyright 奥津強 2005-07-17 18:28:25
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