*万華鏡を覗く瞳*
かおる

あしたの事を語るのは
今とがっぷり四つに組んでいないと
靴下を頭にかぶっているとんまな気がする

それでも
死に瀕している枕辺に
はち切れそうな幸せをおなかに抱え
モナリザの微笑を浮かべる
その女が孫か孫嫁かまごまごしながら
枯れ枝のような腕を摩ってもらっている
そんな あしたを夢見たい

泪を拭うスワトウのハンカチ ふわり
夢を孕み 蝶となり ひらり
舞い上がれ 舞い上がれ 天高く

今から途切れず続いていくあしたに
心からの笑顔の花が咲き乱れている風景を
ただ一心に願いたい

未来から覗く今は万華鏡の煌めき
思い出がひとつ増える毎に
模様は徐々に複雑怪奇にめくるめく


自由詩 *万華鏡を覗く瞳* Copyright かおる 2005-07-17 14:54:34
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