君ゆえの音
ノクターン

貴方は確かめるように
探るように
ゆっくりと私をなぞる

私はささくれた棘が
貴方を傷つけないかと
息を潜め身構える

何かあったの?と
問うような瞳で見つめる貴方は
髪に触れ唇をよせる

私の内の溜息を
貴方は吸い取って
甘い溜息に変えてささやく

『逢いたかったよ』

その中で
私は ハラハラと
落ちる棘の音を聞いた



自由詩 君ゆえの音 Copyright ノクターン 2005-07-12 22:05:24
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