笑い転げてのたうちまわれ。
佐々宝砂

だとしたら、方法は一つしかない。笑い転げてのたうちまわるのだ。「最高最高いいわーっ」と叫んで痙攣するのだ。理解しなくてもできなくても、そもそも理解とか知性とかからほど遠い場所に棲息するどうしようもないヤローでも、笑って飲み込んで愛でるのだ。おそらく、道はそれしかねえ。

でも笑いを狙ってはいけない。狙うところはそこじゃない。私が本当に狙ってる的など世間に明かしてはいけないのだが、ここだけの話でそーっと種明かしすると、宣伝カーで走り回ってスピーカー音声ボリューム最大にして、正義の味方か大先生になろうとしているように見えるとしたら、非常にありがたい、つーか、やったね♪なのである。私は別に教祖になりたいわけでもプロレスで言うところのベビーになりたいわけでもなくて、でもそう見えるとしたら成功♪なのである。これでいいのだ。

であるにも関わらず、私は笑いを狙ってはいけないのである。私はとにかく常にマジメなのである。私は嘘偽りなく、いいですか、う・そ・い・つ・わ・り・な・く、隅から隅まで大マジメなのである。マジメだから、笑われると悲しいぞ。悲しいけど、マジメだからそういう顔は隠しておくぞ。そいで、笑ってくれてありがとーと明るく笑うのだ。なんていう書かなくていいことも、マジメだから書いてしまうのだ。マジメだから、隠し事はしないのである。間違ったら即訂正するのである。全くなにを狙ってんだかわかりにくいぞ、いやわかりやすいのだろうか。

わかんね?

だとしたら、方法は一つしかない。笑い転げてのたうちまわるのだ。「こいつ最低。バカ。氏ね、逝ってよし」と叫んで痙攣するのだ。理解しようとすらしないバカも、理解とか知性とかは私の専売特許だと威張ってるような腐れヤローも、もちろん佐々宝砂も、まとめてまるめて笑って吐き捨てるのだ。おそらく、道はそれしかねえ。


散文(批評随筆小説等) 笑い転げてのたうちまわれ。 Copyright 佐々宝砂 2005-07-04 15:36:42
notebook Home