死想
恋月 ぴの

思想が消え去った
世の中で
金の重さだけが
身にしみる

生の果てに迎える
死でさえも
路上で死に絶える者と
大学病院で手厚く
看取られる者がいる

同じ死であっても
同じ死では無い
無縁仏の墓石の前に
手向けられた
枯れた一輪の花

念じても
無駄は無駄
懐に忍ばせた
遺書代わりの借用書に
思想の文字が消える


自由詩 死想 Copyright 恋月 ぴの 2005-06-27 23:02:54
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