予兆
とうどうせいら

流れ星を見た。

うつむく彼の頭撫でながら
見ていたら
すっ
すっ、て

花火大会の余韻も
冷めやらぬ私の頭上
初めて見たよ。
2つも。

髪の毛をかきあげたら
鳴くんだよ
くうんって。
仔犬みたいに。

ぴったり私の浴衣の胸に
頬寄せて
息をする。
私は撫でながら

星なんか見て。

もっと優しく
触れてあげてもいいのに
関係ない
星なんか見る。

願いごとしなきゃねと
彼が言う。

この人の熱い指先を
お星様
受け入れていく自信が
私にはまだないの。

なのになんで
こんなに湿度の濃い闇があるの。
みんな
夢みたいな感じがする。

3つ目の流星を
見ている暇があるだろうか。




自由詩 予兆 Copyright とうどうせいら 2005-06-27 19:54:26
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