京風メロン "おかわりはおよしやす"
あおば


中学の修学旅行で京都に行った
鴨川を見た
仁和寺を見た
苔寺を見た
いろいろお寺を見てから
かわらまちどおりの旅籠に泊まった
消灯後には
マクラ投げを少しした
その後で
真っ暗の中で
安保闘争の今後について
意見討論を行った
東京にいるときは
ただ黙って成り行きを見守っていただけなのに
おかしなことでもある
京都の大人にデモの状況を尋ねられたことも
少しは影響したのかも知れない
マイペースでやっていた積もりで居たら
頭のいいのに
幼く甘い分析に笑いをかみ殺していたと
後で言われた

東京のことばは怖いと言われた
語感が強くて
なんか怒られているように感じるらしい

お土産屋で
清水焼の茶碗が綺麗だったので買おうとしたが
高いので止めた
舞妓さんは綺麗だった

店先で友達が
お酒を注いだ杯を無心に見つめている
なにか見えるのかと覗き込んだら
裸体美人がつまらなさそうに見えた
顔を上げたら目の前に
クラス一の美少女の無心の顔があった

なにを食べたか忘れたが
全員
腕白盛りの我らの夕食には
マスクメロンのデザートは
付かなかったのは確かだ。




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タイトルは「奇天烈デモクラシー」より



自由詩 京風メロン "おかわりはおよしやす" Copyright あおば 2005-06-10 00:41:44
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