佐藤伊織

子供が扉をあける 暗がりの重い扉を

そして漂うように群集を掻き分けると

重い扉の先の道を一人で歩いていく。

鋼線の擦れ合う音が身体を刻んでいく。

ふと、懐かしい声が耳もとをかすめる。

寂しくなって、そっとふりむいてみると

なんだ、それは人ではなかった。


自由詩Copyright 佐藤伊織 2005-06-08 14:12:47
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さみしさの詩集