木
ひろよ
丘の上の大木は
夏には皆に清風を
雨の振る日は雨宿り
雪の降る日は傘になり
誰にも優しい安らぎを
与えて生きているのだと
皆のために役立って
皆を守っているのだと
木は自負して立っていた
ある時道路の拡張で
木を切ることになりました
そこで皆は大騒ぎ
この木を切ってはいけないと
安らぐ場所がなくなると
皆は其々訴えて
木は皆に守られた
丘の上の大木は
このとき初めて知りました
皆を守るという事は
本当は自分を守る事
自由詩
木
Copyright
ひろよ
2005-06-06 03:27:33