黙するサナギ
花野誉
去年の十二月から
見守る越冬サナギ
今日も
葉っぱで巻かれたように
微動だにしない
もしかして
羽化を忘れて
もう何年も越冬している
のかもしれない
もしや誰かが
精巧にサナギを作り
それを観察する私を
遠くで観察している
のかもしれない
魔法でサナギに変えられた
男前の王子様が
若く美しい女のキスを待っている
(該当しない私で申し訳ない)
のかもしれない
サナギと見せかけた宇宙船で
小さな宇宙人達が
地球人を観察しにきた
のかもしれない
そして、それに気づいた私を
そろそろ
どうにかしようとしている
のかもしれない
なんて
あなたが
うんともすんとも
言わないから
勝手な想像をして
ひとり楽しんでいる