LGBTIQの詩人たちの英詩翻訳 しょの5
田中宏輔2
ジョセフ・O・レガスピ
創世記のホモセクシュアル・ヴァージョン
それは、一冊の薄い本である。
当然のことながら、賛美にふさわしい神は、現出させられた、
すべてのものを。光と闇とを分けられ、
空と陸と海とを分けられ、
植物と獣とを分けられた。天地創造の第六日目に、
神は、ご自分のイメージのなかで、ご自分の思われる通りの
族長制度の子息である、アダムとアダムを創造された。
そして、神は休まれた。そして、それからは、子どもは産まれないし、
子孫を持ちたいという願いも起こらなかった。このときから、
二人の兄弟のあいだに、宿命の対立が生まれた。しかし、黄金の仔牛への
崇拝も、ノアの洪水も避けられた。出エジプトもなく、
イナゴの襲来も、イエス・キリストの冠のいばらも、磔も、復活もなかった。
神はすっかりお休みになられて、天地創造の第七日目が永遠につづいた。
ただそこには、いにしえの蛇が残っていた。実のならない木にのぼって
とぐろを巻いていた。しかし、神のご意志のままに、蛇はそこで固まって動けなかった、
アダムとアダムの喉のなかで。
そして、それこそは、人間の持つ欲望そのものであった。