雨の色
快晴

梅雨入り前の風は
しっとりと
雨の色を含んで
部屋に吹きいる
私はひとり
読みかけの本をそっと置き
その匂いをかぐ
君と辿ったいくつもの夜
ふたり描いた夢のかけら
せつなく胸を締めつける
もうすぐ雨が
この心の迷いさえ
洗い流してくれるから
私は傘をささずに
新しい季節に向かおう


自由詩 雨の色 Copyright 快晴 2005-06-05 22:41:29
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