薔薇疹Ⅲ
伊藤透雪

あなたとキスしていたら
 小さな痼を感じた
ああ私たちはこれで
   何もかもひとつ
愛の最高地点を掴んだのだわ
愛は濃密に撹拌されて
 喜びも苦しみも固まったの
  ✱
身体中に広がった
      赤い印
全てにキスするわ
全身をひとつに合わせて
   あなた自身をも

 私も通った道よ
  前は本物の愛じゃなかったの

今度こそ見つけた
本物の愛を纏い
 私をもっと抱きしめて
あなたを埋めて
 お願い
  強く深く埋めて

これから
 愛で全て満ちて
何も分からなくなっても
私たちに集うものは
私たちを永遠に
 繋ぐ
 溶けてしまうまで

赤い印が消えても
 私たちは離れない
死さえ乗り越えるの




ーー薔薇疹は梅毒の症状です。
  口内の痼が初期症状、数カ月で
  全身に発疹が出ますが、痒くもなんともなく
  消えてしまいますが、梅毒は自然治癒しません。ーー


自由詩 薔薇疹Ⅲ Copyright 伊藤透雪 2026-03-02 16:59:03
notebook Home