千歳林道
伊藤透雪
さざめく沢の流れが鳴る森で
緑の葉、枝が重なるトンネル
梢の先から光の粒が弾けてる
森が眩しい青空を
カサコソ隠しているよ
土の匂いが
強く鼻にひびいて
トンネルを抜けたら
眼いっぱいに空が入ってきた
気持ちの良い微風に
独活の青さ、
蕗の雫の匂いが漂ってくる
遠くから
キツツキの突く音が聞こえた
なんて気持ちがいいんだろう
両腕を上げて叫びたい
毎年来ていた頃から
変わっていないように感じる
けれど
森も草たちも皆
私の記憶より変わっている
変わっていないのは
懐かしい匂い
緑だけ
小川の縁も残っていて
それが心地よく表れる
ふわふわとタンポポの種が
飛んでいく
邪魔する雑音のない
森と木陰と太陽で
すっかり心洗われて
少しだけ笑える気がする
ちょっと内緒のつもりの
心開く隠れ家