いろは
唐草フウ
雨水すぎて
空に湧き出したひだまりの実生が
久しぶりにとっても、眩かった
爪先ほどの春を
芽吹いたさいぼうの菜を
並べて調理する
ふかふかする国防色の服を着ながら
どこへ行けば
充実を拾って、買って
胸に射し入れられるだろう
どこにもありません)
どこにもありはせん)
居留守の電話をずっと
鳴らして迷惑をかけていた
でも新しい報せを
教えるためには
そうするしかない
私たちは生き延びようとするだけの
埋めこまれた種だ
これ以上発芽するとは限らない年数
爪先ほどの春を
最初に見つけた時
同時に枯れ消えた膝の下へ
照れることの許される幹へ
戻れない誰かの叫びのほうへ
泣きながら駆け寄りたくなった