―― 春のむごたらしさは、
否応なし
扉をこじあける
見渡すかぎり
隠しようもない
傷だらけの
青い春の海
そこは痛みをゆだねる
波の幾何学模様
天空を たゆたう雲が
定まらぬ姿をかえ
誰もとめられぬ
春嵐がやってくる
帆をあげろ
褪せることのない
黄金色の
水平線をめざす
陽の上るそこに
きっとある
若き者しかみぬ
巨きな夢を捜しにいく
誰かが描いた
意味だらけの海図をすてさり
無数の海鳥の声に耳を欹て
海風のさそいは、
波の囁き いつか聞いた、
人魚の子守歌を口ずさみ
思いだせ
長い冬の熟成に唾し
鼓動は、息をひそめたなら
まちわび
手をかざし、
船に乗り込む
望みは、
宝物などでも
戦で勝ち得るものでもない
例えようもない
まだ見ぬ航路 をめざす
未踏の東周り
答えを問いながら
風の便りに綴られる
長い 長い
掛けがえのない旅を
始める
ここをさり
そこに待つ
大洋の波で
夢を咲かす ため