春を待つ
伊藤透雪

まだ寒い気候が続き
山の向こうは雪だというのに
春が待ち遠しくて梅の花見がしたい
田舎の丘に固い蕾が付いただろうかと
そんなことばかり考える

春が来たら
何かが変わるかもしれない
やるせない日常に
常の静けさから土の蠢きが
報せてくれるかもしれない

毎年春は来るけれど
常は恐ろしく時を流し
気が付かぬまま老いてしまう

今度の春こそ薫る言葉を見つけ
私の肉として目を養い
人のことごとを編みたい
梅の香りに気をやれば
きっと、あるいは、もしかして、

春は来ると信じたい。



自由詩 春を待つ Copyright 伊藤透雪 2026-02-14 12:42:26
notebook Home