祝福
りつ



ホッカイドーの牧場みたいな平原で
もしも魔法が使えたら
見渡すかぎりのはなばたけ
埋め尽くして埋め尽くして
そこでしたい、そこでしにたい
半袖にはまだ肌寒いくらいの気温のままに
青いレモンを滴らせ
なまえも全部ぬぎすてて
過去も未来もほしくないから
この瞬間だけをとじこめて
こうせいのうの爆弾みたいに着火する
飛散する凍った時間の断片が
まだあどけないはなばなを散らしてしまう僅かな揺らめきに
あなたとしたい、あなたとしにたい
優しさと痛みだけをもちよって
ことばは端から意味をなくしてしまうから
もうはなすことも必要ない
恋も愛も投げ捨てて
えんと直線の交わりに
何千兆もの祝福が
高く澄んだ鐘のように鳴り響いてる
いんいんと
えんえんと

だから
わたしたちしたい、しんでしまいたい



自由詩 祝福 Copyright りつ 2026-02-13 18:13:58
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