こみち行く
リリー

 陽のあたる
 名前も知らない神社のわき道
 側溝を覆い隠す熊笹の
 枯れて葉の縁が白くなる隈取りに
 春へうつろう植物の
 地力を感じてたのしくなる

 ぽつねんと浮かび
 ふいに消えてしまいそうな月を見て
 いつだっだか
 鳥かごから逃げてしまった
 賢い白文鳥を思い出す

 一人分の歩隔だけ草は刈り取られ
 ところどころ砂地が見える
 うつ向いたままの枯れ草たち
 みんな、人めの知らない
 営みをうたっている
 霜に打たれる沈黙も
 やわらぐ日ざしに包まれる憩らいも

 ぬくぬくとした土にくるまれた
 花壇の球根とは描かれる
 いのちのレシピが違うだろう
 赤子の夢の様な幻景から醒めて
 成長する花も美しいなら

 こんな道端に根ざし
 刈られたり踏まれたりする季節を
 巡りながらその生命力が
 冬の静寂を破る野草も、またけなげだ
 
 


自由詩 こみち行く Copyright リリー 2026-02-07 17:10:26
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