巣穴のふたり
唐草フウ

白い屋根にかき氷大盛り
盛り上がった白魔の峡谷
側に運び出す白熊をかき分けて
こんなところも道なのだ
人が動いている
冷たく濡れたトイレットペーパーが
次から次にちぎれ降ってくる
避けれぬ重みを持った
低体温の白い苞が振り落ちる
ひとは動いていく

南国にある茶の間のこたつから
正午前のニュース

「こっちがこうなったら誰もどこにも動けんなあ」

呟く父

「そうよねえ、食べ物とかどうしとるんやろ?」

「うーん」

そんな話を口から出しつつ
両手は急いそと配薬を進める

庭の梅は今年も咲かないかな

寒風の強い
晴れた昼だった








自由詩 巣穴のふたり Copyright 唐草フウ 2026-01-29 19:27:31
notebook Home