雪雲
花野誉


地下駐車場を上がると
青空の下
広大な うずまく雲

──紛れもなく 雪雲だ

冷えた頭と
落ち着かない心臓

ただ
そう認識したと
ひとりごちる

突然の別れと
止まることのできない今を
片方ずつ ぶら下げ

自らの舵を
真ん中へ 保つ

想いに耽るのは
あとでいい

押し寄せる涙は
頬の下へ 押し込む

フロントガラスに
舞う雪を
凪いだ心で 
ただ 見上げる




自由詩 雪雲 Copyright 花野誉 2026-01-23 23:31:29
notebook Home