HEY HO/未来公の彼方へ
鏡ミラー文志
『HEY HO!』
HEY HO 夕焼け、満月、風切る私
犬が鳴くのと同じように、歌を歌う
HEY HO 朝露、宿木、愛の雨
鳥が囀るのと同じように、歌を歌う
HEY HO 秋風、春風、弛まぬ流れ
川が流れるのと同じように、歌を歌う
HEY HO 自信満々、天狗鼻
山が聳えるのと同じように、歌を歌う
HEY HO 怒り爆発、快楽絶頂!
雷が鳴るのと同じように、歌を歌う
『未来公の彼方へ』
あるところに、人を愛したことのないとても優しい男がおりました。
男は毎日虐められていたのですが、反撃を試みても勝利を収めることはありませんでした。
世界は男と関係のない人々の愛であふれ、今にもパンクしそうでした。
そこへ、ミサイルが落ちました。
そこに、疫病が流行りました。
そして、戦争が起きました。
人々が集う広場は荒れ果て、毎日国中がパニックです。
毎日、なにが起こるか分からないスリルとショックだらけの毎日。
男は内心にやりと笑い、しめしめと思いました。そして、それを上手い形で書き表そうとしました。
「私の人生には愛はなかったかも知れないが、私は物事を知的誠実さを持ってみようと努力してきた。私は成功者にはなれなかったかも知れないが、成功者を観察してきた。人々は自由に愛し合い、性行為をし、お互いを成功者であり、性行為者であると認め合ってきた。私はそのすべてを、茂みから観察してきたのだ。パーティピープル! 私の詩が貴方達にどれだけ共感されうるか分からないが、これは私なりの、貴方達への愛である。私はすべての人にとって他人であり、私にとってすべての世で起きていることは、他人事である。川は流れ、花は咲いて、私の愛し愛されなかった記録は今日も、ゴミ箱に捨てられ! 残されたものは、ナンセンスである。ナンセンスとユーモア、喜劇だけが、私に残された」
人を愛したことのない男の言葉は人々の胸には届かず、ただひたすら風に乗って、行く宛のない未来へ。ただ優しさだけが川のように、秋風の中を漂い続けているのでした。