シベリアのバルーン/足利から*
ひだかたけし

冬花の奏でる音楽を
観入り聴き入れば
さくさくと
凍結ノ地にて
繋縛され剥奪され
断念した自由を
真紅に潤ませ
内なる森の奥処から
溢れ流れ出させ輝かせ
お日様の匂いに染めて
一瞬の光彩とし解き放つ

あゝならば酔いどれよ
遂に泥酔し風呂に浸かったまま
心音絶え旅立つ前にこの匂い嗅ぎ
充ちる冬花の音楽の最中
あの凍結ノ地、
シベリアの空の紺青に
オマエと云う巨大なバルーンを放て

それが大地に落とし滴らす丸い影 、

それこそお日様から賜った
オマエと云う唯一無二の存在、

奈落の底からこそ立ち上がる
自由と愛の萌芽の木霊なのだから











*詩人・石原吉郎(1915大正4-1977昭和52)への
新た改めてのオマージュとして。

(なお、石原吉郎の作品・『足利』については、作者メッセージ欄にて掲載)。















自由詩 シベリアのバルーン/足利から* Copyright ひだかたけし 2026-01-19 20:23:03
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