清瀬/仕舞いの住処
ひだかたけし
死地も生地も
同じ地球の地と
別に決意した訳でもなく
流れ着いた此処だから
此処を最期の住処とすれば
亡き父親も嘗て結核療養した
縁ある場所だと気付く謎、
色んな人が色んな謎を抱え
それぞれに歩み住むと 、
死を生を含み込みどよめく
真昼間の街並みの光帯び
何処迄も果てなく伸びて
謎は謎のままにそのままに
事の運び自体が語る出す迄待ち
私のこの肉身、
灰と帰す迄
身を鍛え保ちつつ
意識を透徹と明るませ
肉に依存した私から
意識の奥深く
呼吸脈拍と共に
確実に響き来る
私そのもの、
思考力動の核へ
少しずつ少しずつ
出ていきながら
水晶天に至り尚も生き*
旋律律動和声の総体、
内なる恭順の次元へ
迷いつずんと集中し
日を月を年を重ね
然るべき時に至り
その途筋を確保すれば 、
清い瀬に匂う気の謎の
この今に溶け鼻腔芳ばし
*「それから人間は水晶天にぶつかる。この天は硬い。」
──アリストテレスよりアレクサンドロスへの言葉
((『人智学のパースペクティヴ3 宗教治療・教育・人生』ルドルフ・シュタイナー著/高橋巌訳(春秋社))より