第二楽章のあいだ
花野誉


ベートーベン
交響曲第七番第二楽章

聴きながら
浮かび上がるもの

祖父の若かりし頃の姿
昔 見た
たくさんの写真

目を瞑れば

南の白き砂浜
機銃掃射の雨
隣の 動かない親友

飛び立つ青い空
エンジン故障に
引き戻される命

故郷に未練なく
捨てる気で志願した命

強く優しい祖父は
淡々と話した

胸底に抱いていた想いは
聞くこともなく

近頃
よく心に浮かぶ
亡き祖父の俤

この国の模様
世界の模様

祖父は
何かを囁くよう















自由詩 第二楽章のあいだ Copyright 花野誉 2026-01-14 13:16:16
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