初春
月乃 猫



夜の静寂を
優しい闇がおおう

慶びは 漆黒の空をおしやり
わけもなく
願いにはしゃぐ子どもたちの
瞳にやどり
輝きがます
 
諸行は重なる煩悩業苦の
心の深淵へ 響いては
鐘の音に 消され、
×108剰 
繰り返される
振音に 夜がきえていく

挨拶に
こんばんはも おはようも、
何かをたくされ
おめでとうへ
代えられる

悉有にやどる力でしょうか、
朝陽が 山の端に切り込むそれに
年の始まりは 寡黙の
光の結晶のまぶしさに化す 

黎明に始まる
うす紫の 陽光の誕生は、
絶えずもたらされる
年の始まりと灯りの
めざめの対価、

明日をかんがえようと
抱負/期待/夢とか
願いとか
先をみつめようとする私に、

今しかないと
今を生きなさいと
娘は、
大きなあくびに
黒いしっぽを振って
瞼をとじた





自由詩 初春 Copyright 月乃 猫 2026-01-02 12:29:14
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