真昼の月
りつ

真昼の月が妙々なるひかりをかかげ
太陽に微笑みかける
月よ
おまえも陽のひかりが恋しいか
夜の最中に凍えるようにまろい怯えを抱きしめながら
それでも懸命に輝きを放つおまえは
どれほどがれていたのだろう
夜を灯すとこだけに懸命で
自らの望みは何処へ行った
太陽に追いつきたくて
太陽と重なりたくて
星を巡っていたのだろう
青い空に艶然と咲くおまえの真清さよ
叶わぬまでも陽をみつめる姿の色めきは
どれほど久遠の歳月
夜を孤独に浮遊し
乳色の淡さに揺らめきながら
小さな恋歌口ずさむようだ
許されたものなら知らぬ痛みを耐え忍び
どれほど恋うたことだろう

   
    昼の月 
     陽をどこまでも
    追いかけて
       追いつけぬまま
         笑顔で耐えむ



自由詩 真昼の月 Copyright りつ 2025-12-30 20:19:56
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