真昼の月
りつ
真昼の月が妙々なるひかりをかかげ
太陽に微笑みかける
月よ
おまえも陽のひかりが恋しいか
夜の最中に凍えるようにまろい怯えを抱きしめながら
それでも懸命に輝きを放つおまえは
どれほど憧がれていたのだろう
夜を灯すとこだけに懸命で
自らの望みは何処へ行った
太陽に追いつきたくて
太陽と重なりたくて
星を巡っていたのだろう
青い空に艶然と咲くおまえの真清さよ
叶わぬまでも陽をみつめる姿の色めきは
どれほど久遠の歳月
夜を孤独に浮遊し
乳色の淡さに揺らめきながら
小さな恋歌口ずさむようだ
許されたものなら知らぬ痛みを耐え忍び
どれほど恋うたことだろう
昼の月
陽をどこまでも
追いかけて
追いつけぬまま
笑顔で耐えむ