病院で
杉原詠二(黒髪)

午前三時
病院の個室で
愛を呆然と考えていた

わたしの手段は
すべて尽くしてしまった

けれど思いは消えない
消すべきでもない
と思える

愛の感情が
全身に残っている

辿り着かなければと
心の内で
冷や汗をかき
冷静になって
考える

だから退院しなければ
愛への思いを
すべて傾けるため

わたしの身が
残っている限りは


自由詩 病院で Copyright 杉原詠二(黒髪) 2025-12-19 15:40:27
notebook Home