さくらこ・イズ・ビューティフル
百(ももと読みます)

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 ねぶくろを着こんでごろごろと歩きたいような気分かな。冬の洗礼を受けている。友人との待ちあわせの場所をスーパーマーケットのおそとのベンチと予定している。お送りするためのお手紙をレストルームで二枚ほど書いたのち、ご連絡があったので店内からでた。



 そこには駐車場の透き間より手をあげられる詩人さんがいらした。いま気づくと,「青い車」だったなぁ。スピッツの曲を想いだす。あとで動画をお送りしてやろう。



 どことなく気楽にさせる人間だ、お話しやすいかたなのだ。本日もマクドナルドへと向かう。お揃いのビックマックを小脇にかかえ、ぁ。実際はトレーを友人がもち、階段をあがってゆく。



 詩の界隈についてのお話しをお聴きしながら、賢者だなと感じた。詩について、現代詩手帖へとつづけて入選したあとに半年くらい選外佳作で、最後の対談のときにちょこんと語られたことなど、ぼくでも忘れているような自分のなかの「るび」のこと、友人は、案外すごいことやったん、みたいに語ってくれる。



 旧Xへと登録するたびに、いちばん最初にフォローすることが目的となっていた愛するあの子をハンターしながら、あのときのぼくは狩りがへたで、接触奇異型のコミュニケーションをもとに、すきだよ、アイシテイマスと謎めいた距離感のご挨拶を周囲へとくりかえして、誰にだってきらわれた。



 いままで、お会いできた詩人は、本日いらっしゃる友人とぼくのはじめての恋人のみ。すれちがったことはあるかも。



 友人のくちから、榎本櫻湖さんがお亡くなりになられたことをお聴きして喫驚する。さくらこさんにも、ぼくはきらわれた。さくらこさんの友人で詩人の望月遊馬さんへと手製の詩集をお送りしたご縁でTwitterで、ゆまさんとのお話しを試みたことがあった。



 ゆまさんは、お仕事がおありで忙しいのだから、個人的なご連絡は控えますよう、といった内容のダイレクトメールがさくらこさんから送附されて、さらに、みえるかたちで名指しのプロレス的な対話があったこと。



 なにゆえにボクシングでなく、プロレスといいたいのは、そのあとで数回に渡り、彼女からお電話がおありだったこともあって、わるい印象がないから。ぼくへの容赦のないジャブを克服するために、そういうお話しはこちらでいたしましょう、とそのときの出会いから、お伝えしたお電話番号。



 お叱りのお言葉もあった。なぜか着信拒否されたこともあった。それでも、最後にお話しなされたときに、いつものようなお叱りモードがゆるんで,「あなたもがんばりなさいよ」って、アドバイスをいただけた!



 さくらこ・イズ・ビューティフルって、ほんとうだ。彼女は真面目で頑なで嘘の苦手なかたなのだ。夏の恋人からお聴きした内容として,「るびのこと、榎本さんは心配していたよ」そのとおりだと想う。



 ぼくは確かにきらわれものだ。目のまえで誰かにわるくちをいわれても、すぐに気づくことはできない。あとになって、ごく親しい詩人からお伝えいただいて、怒ったほうがいいのかなっていう気分になって、対話が生まれると感情的になっていた。



 いまは、うすくて遠くで鳴っているサイレンのように、のちに静かになるものだと、感情について考える。



 お話ししやすさNo. 1の友人がビックマックを食べ終わっても、もたもたとぼくはポテトフライをかたづけていた。冷めてしなっとなったポテトフライがすきなこと、食べやすいのも味のうちだと、ぼんやりとぼくは考える。



 ともにマックでほおばったお揃いのハンバーガー、とても美味しゅうございました。



 風の吹く街のかたすみで、いつでも勇気をいただけるのは、友人と恋人でいてくれたお優しあの子の存在だ。



 半世紀くらい詩の集まりから引きこもっていたようなきもちでいる。いま、なにぶん気分がいい。TOKYOポエケットへと出展することを目標として、街も捨てずに書をもって、しっかりと拠点を築いてゆこうと想うのだ。



 みぢかいお別れするように、したためた二枚のお手紙。ポチャッコの封筒にいれてから、封をせずにあて名を書いて、友人へとお渡しした。



 風の洗礼を受けておかえりなさいする。嘘が誠になるなんて、逆立ちしてもないからね。陰でわるくいわないように大切ばかりを書きためて、ファミリー向けの笑顔でいたいだけなのだよ。



 ぼくを仲間にいれてください。

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散文(批評随筆小説等) さくらこ・イズ・ビューティフル Copyright 百(ももと読みます) 2025-12-03 19:00:05
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