存在を認める
杉原詠二(黒髪)

存在を認め合うと
何が起きるか

お互いに顔を見あって
赦しあう
声をかけあう
気にしあう

自分の過去を詮索されず
ただいっしょにいてくれる
そしてわたしのことを考えてくれる
わたしはずっとそうしてきたよ
己の防御を解くことが出来る相手を
見つけられた
だからわたしは

わたしは身体の苦しみに飲み込まれ
己の心がいかに傷ついているか
気づかなかった
わたしは誰かの前で泣きたかった
愛していると言って欲しかった
でも人は
言っていいことと悪いことを分かっている

涙と思いやる嘆きを見た日
わたしのこころはぐさぐさとやられた
他人のために泣いている人がいる
わたしもそうしなければ
そうしなければ救われない
わたしは知っている
救われてしかるべき人とは
生命を命とこころにおいて
救い続けてきた人

顔を見たら分かるよ
どんなに愛情を繰り返してきたか
大切なことを切り開いて来た
わたしは考え続けてきた
だからわたしにはわかる
存在することの意味が
命を賭ける賭け方を知っている人がいる
理屈ではなく
力と感情を向ける

どうして他人は傷つけて去って行く
忙しいのか
暇になったら認めてくれるのか
一体どうやって
でもみんな
別れ際は優しかったんだよ
わたし以外はみんなが知っていた
大切なことを

もう少し生きてみよう
誰かがわたしを
わたしはみんなを
誰かがあなたを
あなたがわたしを

恐れながら申し上げます
あなたは誰
遠くからきてわたしを見てくれる
いったいどのようにしたら
そんな奇跡が


自由詩 存在を認める Copyright 杉原詠二(黒髪) 2025-12-01 16:04:06
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