へだたり
唐草フウ

君はいつも
爛漫に羽ばたきたかった
拵えたかごの中での日常と
生活から差し込む思いやりでは
あと少し満足できなかった
行き急ぐのは
眠りを忘れた 太陽の咲く遠くまで
飛んでいきそうな予感


僕は隈無く思い当たるところに
みえない養生テープを貼った
怖がりで不安な部屋に
さいごまで侵入されないよう
からだに こころに
行動や 温もりにも
傷にはしない
近づか/けない僕と


最初から毒にも薬にもならない
だからこそ時間の
ただの時間の積み重ねが
大切で
何もない毎日を
望んでいて
憧れとは程遠い

そんな時間に
まったく同じものはない
葛藤と希望の黒ずみ


済んでから、気がつくこと
活かそうと思っても遅すぎる
二度とこない夢を
君がどうか忘れてくれたら

届かない嘘


近づくことで深めて 超えて
踏み入ったらやさしく剥がし取って微笑む
そんな君が涙を見せても
ことばという背中を向けてしまったのは僕だ


窓の向こうまでは保護できないから
君の背中を押す
どうにもならないことを
振り返るとき
一番悲しいことばを添えて
滲んで曖昧になるように

「ありがとう」と








自由詩 へだたり Copyright 唐草フウ 2025-12-01 06:53:04
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