へだたり
唐草フウ
君はいつも
爛漫に羽ばたきたかった
拵えたかごの中での日常と
生活から差し込む思いやりでは
あと少し満足できなかった
行き急ぐのは
眠りを忘れた 太陽の咲く遠くまで
飛んでいきそうな予感
僕は隈無く思い当たるところに
みえない養生テープを貼った
怖がりで不安な部屋に
さいごまで侵入されないよう
からだに こころに
行動や 温もりにも
傷にはしない
近づか/けない僕と
最初から毒にも薬にもならない
だからこそ時間の
ただの時間の積み重ねが
大切で
何もない毎日を
望んでいて
憧れとは程遠い
そんな時間に
まったく同じものはない
葛藤と希望の黒ずみ
済んでから、気がつくこと
活かそうと思っても遅すぎる
二度とこない夢を
君がどうか忘れてくれたら
届かない嘘
近づくことで深めて 超えて
踏み入ったらやさしく剥がし取って微笑む
そんな君が涙を見せても
ことばという背中を向けてしまったのは僕だ
窓の向こうまでは保護できないから
君の背中を押す
どうにもならないことを
振り返るとき
一番悲しいことばを添えて
滲んで曖昧になるように
「ありがとう」と