米つぶひと粒・農家の泪
百(ももと読みます)

 晴れた日はお部屋で軽いコートを着てのんびりしている。麹いりのお味噌しるがいかにも美味しい。お腹のなかで細菌たちの、わぁいっていう声が聴こえてくるような気がする。

 もち麦多めの雑穀米を毎日2合、食べている。雪平鍋で1合ごと炊いている。熱つめしよりも、すこし冷ましたほうがよい。腸までお届けされるでんぷんをレジスタントスターチという。お冷や美味し。



 幼き日々に覚えた魅惑の空腹感。自らのフードノイズのすくなさがより加速してゆくことを懸念して、ひとりでいても倒れないであろうメニューを考案し、実行している。

朝|雑穀米(もち麦多め):1合
  麹いりお味噌しる
昼|岩塩いりレモンすい
夕|朝とおなじ献立
  素焼きミックスナッツ

 宮澤賢治は大変丈夫なお腹をおもちのおかただ。玄米の摂取は、ぼくのお腹にいる細菌たちでは歯がたたない。いま、もち米も混ぜておるのだが、どのお米もひと粒ひと粒、かわいい。お焦げこめ、うんまい。

 かねてより、魅惑のケーキの「魅惑」の文字もケーキに関する衝動もまるでなく、食べていながら目の前にある食べもののことをぼくは忘れてしまいがちだ。

 スーパーマーケットの床のてかりが眩しかったこと、お菓子うり場からプチパステルというちいさなアイスクリーム型のおやつがなくなっていること、いまのところ、バニラモナカジャンボというアイスクリームは種類別でもアイスクリームだということ、食品に関する今年の夏のぼくの想いで。

 スーパーマーケットでは誰だって自分たちのことしか考えていない。めぐり合わせがスーパーマーケットだというおふたりがいるとすれば稀有な方々だ。



 お米、かわいい。お米はね、ひとがいないとうまく育ってゆかぬからね、米つぶひと粒・農家の泪という名言を残したぼくのだいすきなおじいちゃんのいっていたこと、むねに浸透しているよ。

 お米、そして、いきなりだが、マクドナルドすきです、ぼく。

 いついっても大丈夫な均一空間、スマイル注文しなくても無料でついている安心感。食べている間は美味しいともいえないし、食べたあとも美味しかったと、はっきりといえない。

 ただし、マクドナルドのポテトフライのいろをした性的なイメージ。妙にこころをとらえるぞっ。

 うまいもん、たくさんあるから美味しいとは想えない。偏食なんよ、生まれつき。倒れる前に走りだすねっ。さぁ、きょうもおつかれさまです!


散文(批評随筆小説等) 米つぶひと粒・農家の泪 Copyright 百(ももと読みます) 2025-11-20 18:00:29
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