マギーさんの手紙
yaka

  国語は嫌いでした。
  算数は嫌いでした。
  さりとて体育は苦手でした。
  モテナイ君でした。
  9人兄弟の末っ子で、中卒でした。

  情けなくてある日つい白状してしまいました。
  ぼくはだめなやつです。
  実は手品は下手な方です。
  笑われました。
  笑われましたが、楽しそうに笑う人もいました

  ぼくはだめな人でやってきました。
  だめなぼくを白状しながらやってきました。
  しかし白状したのをいいことに、
  ひとに投げたりはしませんでした
  正しく白状すると肩が軽くなりました。
  肩が軽くなると歩く力が沸きました。

  今だから思うけど、
  ぼくはだめだけど、
  だめなぼくをほっぽらかしませんでした。
  ぼくの手はぼくが握っていました。

  そうして今、好きな手品で生きています。
  下手だけど好きな手品で笑わせます。
  笑って楽になってください。
  肩の荷物を下ろしてください。
  ホントの強さを持つために。




                2004.12.26


自由詩 マギーさんの手紙 Copyright yaka 2005-06-02 23:40:30
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