雨、月曜の、まだ暗い朝に
山人
ここ一週ほど多忙だったが、悪天予報の今日は勤務仕事の事業所は休みとなっていた。
夜は比較的よく眠れ、夜明け前だったが登山口の管理棟の清掃に向かった。あいかわらず、クサギカメムシたちが越冬にやってきていて、そのカメムシたちを箒で掃くことから始まる。カメムシの足には棘のようなものがついていて、無意識に滑り落ちないようになっているため、箒にしがみついているものもいる。ついつい面倒くさいので手で直に掴んでは捨てたりするが、ほぼ臭い体液を散布するから指に悪臭が付着する。ただ、昔からそんなことは気にもしなかったので個人的には苦にならない。この管理棟の清掃や便所掃除もあと複数回で終わる。それらが終わる前に各所登山道の冬支度を実施しないといけない。道標格納、ロープ倒伏がメインなので、概ね二日あれば終わるだろう。その後、十一月いっぱいは山林事業所で働き、クビとなる。今季の雇用契約の終了である。最終日、課長から次年度の雇用契約をどうするか打診がある。市役所の支所長にまで上り詰めた同級生のkが坐骨神経痛で別メニュー作業を行っていたせいか、仕切りたがり屋が不在だったので、現場作業は気持ちよく作業できたが、来年kが復帰するようなら私は身を引きたいと考えている。ただ完全に引退するのではなく、アルバイトのような雇用形態を事業所側が望むのなら対応したいと考えている。来年は六十八になってしまう。もう無理はできない体であるのは重々承知ではあるが、背に腹は代えられない事情も無いではない。ただしかし、あのドライな性格の課長であるが故、一旦辞めた人を遣うことは無いだろうという覚悟は居るだろう。
今年度の家業はほぼ盛りを過ぎた感じだ。あとは数組の予約があるのみで、概ね来年三月以降まで閑古鳥が巣くうこととなる。冬はまたいつものように無人駅の除雪作業員としてシフト制で働くこととなろう。昨年はJRの下請け会社から雇われた形になっていたが、今年もそうらしい。よって、なるべく作業員を削りなるべく賃金を出さないように工夫するであろう。その末端が我々なのである。何も特別な技術もなく、年齢だけを重ねた人種というものはやはり末端として相応しいのだろうか。所詮、世の中は不公平にできている。だからこそ、富裕層はさらに富み、貧困層はさらに・・である。ここにきてさらに総理交代なのだからますます不安は高まってくる。
いろんな事柄はこれから起きるであろう。私的にも公的にも。ただ、つまりは、どうでもよい。そう考えることで救われるのかもしれない。どうでもよい、という事柄からすべては始まるのである。そう考えるべきなのだろうと。