実家
ガト
炬燵に
父がいないことに
やっと慣れた
十年かかった
もっと前に
いなくなった白い猫は
今でもたまに
コンビニ袋になって風に舞っている
スーパーに行って
ドッグフードの棚の横を通ると
まだ胸のどこかががキュッとなる
ああみんなありがとうな
丸いフォルムの犬が
父の隣にちょこんと座ってる
白い猫も多分
炬燵の中にいる
実家はしんと静まり返って
かすかな暖かさだけが
足元に満ちてくる
自由詩
実家
Copyright
ガト
2025-10-15 01:47:56