わずかにのぞく夕刻の青空と静寂
山人

朝方少し仕事をし、あとは何もせずに過ごした
背徳感が骨や肉に浸透していたけれど
床から出ることはなかった
何もしないことにした一日は重金属となって
言葉も発せず、でも聞き耳を立てている
でも、ほとんど無音でしんとした静けさが逆にうるさい

もみ乾燥施設は時期が終わったのか人の声がない
大きな籾山の後ろには熟成したススキの穂がいた

ときおり見たことのない車が通っていた気がする
みんな何かを求めて動いているみたいだ

何もしなかった夕刻
雨はやみ、思わせぶりの青空が見えている
でも、
いったいどうしろというんだろう
早くいやというほど眠りたいと思った
明日というのはまた
ずかずかとやってくるのだから


自由詩 わずかにのぞく夕刻の青空と静寂 Copyright 山人 2025-10-13 16:41:40
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