業火
みぎめ ひだりめ
柔らかな石が降っている
濡れた空気が呼吸する
むろんだ朝日が土を踏むように
おまえは優しく燃えている
穏やかな顔が溶けている
暗い木陰がただ揺れる
首が上擦っている
うだったいのちが燃えている
うつくしい石が降っている
胸がひかっている
足がもつれて声が漏れる
蒼鉛に染まる掬水が
奥の暗闇で燃えている
自由詩
業火
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みぎめ ひだりめ
2025-10-12 19:29:22